地上レーザー測量は、地形を点の集合として電子データ化する測量方法です。
下写真のようにレーザー光を発射するレーザースキャナーを現場に持ち込み、地形をそのままデータとして持ち帰る…という作業イメージになります。
スキャナーは、モデルチェンジ毎に小型化,高速化が進み、同時に価格も安くなってきました。

TLS(地上レーザースキャナ) トプコン社製GLS-1500

上写真は、旧型のレーザースキャナ(トプコン社製GLS-1500)です。大型で重くて、観測範囲にも制限がありました。更に一日の観測点数は最大8点程度と、今から思えばなかなか大変でした。


(上写真)熊本地震は2016年4月14日午後9時頃と16日の午前1時半頃に発生しました。1回目はどうにか凌げましたが、2回目16日の本震によって熊本地方は壊滅的な被害を被ることになりました。
写真は、本震の3日後に熊本市の許可を得て行った熊本城西出丸石塁崩壊箇所の地上レーザースキャナ観測の様子です。(まだこの時はGLS-1500を使用していました。4月半ばでしたが、かなり暑かったことを思い出します。)


(写真:上) 新しく導入したレーザースキャナ(トプコン社製GLS-2000)です。トータルステーション並みに小型化されハンドリングが容易になったことで、1日当たりの観測点数も25点程度と飛躍的に効率化がはかれるようになりました。


GLS-2000を使用中の作業シーンです。(熊本県ご発注:立田山「県民の森」バリアフリー歩道設計) 
地形モデルを構成する点群は数千万点~億の膨大な量となりますが、設計作業に必要な地形情報を、室内に居ながらいつでも取り出せる貴重なデータです。 1回(1カ所)の測定に要する時間は約20分程度で、一時間に3回~4回の測定が可能です。 旧機(GLS-1500)では一日最大観測回数は、8点程度がせいぜいでしたから、凄い進化です。
最近の測量器はほとんどがデジタル化され、操作には丁寧,冷静,慎重が求められますが、女性特有の丁寧さや几帳面さは、観測作業だけでなくデータ処理(点群の着色や再構成、不要点の整理など)の細やかな作業にも向いているようです。